Dmitry NizhのFMSモデルコレクションとは#
Dmitry Nizhegorodovは、FMS(Flying Model Simulator)向けの高精度機体モデルを多数公開している著名な開発者です。彼のコレクションは実機ベースの正確な飛行特性を重視し、視覚的な華やかさよりも物理シミュレーションの精度を追求しています。
開発理念#
“FMS lacks visual candy…but it’s often a tougher test of new design.”
Dmitry Nizhは、FMSの視覚的なシンプルさが、逆に新設計の飛行特性テストに最適であると述べています。
コレクションの特徴#
- 公開機体数: 12機種以上(人気機体3種、カスタムビルト9種以上)
- ライセンス: Freeware(無償公開)
- 対応シミュレータ: FMS(Flying Model Simulator)
- Evidence Level: L2(コミュニティ権威)
公式サイト: https://www.dmitrynizh.com/fms-models.htm
人気機体モデル(3機種)#
1. Parkmaster 3D#
Multiplex社の人気3D機のFMSモデル。
- カテゴリ: 3Dアクロバット
- 特徴: 安定した飛行特性と3D機動性能を両立
- ダウンロード: parkmaster.zip
2. 3DHS Vyper 46インチ#
軽量セットアップ構成のアクロバット機。
- 翼幅: 46インチ(約117cm)
- 特徴: Light setup configuration
- ダウンロード: dclik36m.zip
3. TW-742 Sky Hawk#
4チャンネル・アクロバットグライダー。
- チャンネル数: 4チャンネル
- カテゴリ: アクロバットグライダー
- ダウンロード: DN_TW742.zip
カスタムビルトモデル(9機種以上)#
Dmitry Nizhは実機を設計・製作し、その飛行データをもとにFMSモデルを開発しています。
1. 24インチ・マイクロ3D機#
超軽量コンポジット構造の自作機。
- 飛行重量: 93g
- 構造: Depron/EPP/Carbon複合材
- 特徴: “designed and built using composite depron/EPP/carbon”
- 用途: 精密飛行制御研究
2. Clik-like 30インチ#
パターン機設計の軽量機。
- 飛行重量: 112g
- 構造: EPP/Carbon
- 特徴: “Spartan color scheme”(質実剛健なデザイン)
- 用途: パターン飛行
3. Lancair Legacy 24インチ#
スケールモデル(2008年夏製作)。
- 構造: EPS(発泡スチロール)
- モーター: 10g
- カテゴリ: スケールモデル
4. パターン機36インチ#
屋外使用向けの本格パターン機。
- 翼幅: 36インチ(約91cm)
- 構造: EPP
- 用途: 屋外パターン飛行
5. Frenzee 27インチ#
Sylvan Aircraft社のキットベース。
- 翼幅: 27インチ(約69cm)
- カテゴリ: フライングウィング
- 特徴: 完全なモデルが利用可能
6. Marsh Sloper 48インチ#
スロープソアリング用フライングウィング。
- 翼幅: 48インチ(約122cm)
- カテゴリ: スロープ飛行
- 用途: 斜面風を利用した滑空
7. Edge 24インチ#
セミスケール・アクロバット機。
- 翼幅: 24インチ(約61cm)
- カテゴリ: アクロバット
- 特徴: 改造版も含む
8. Cassutt Racer 1/10#
セミスケール・レーサー(G-BOMB)。
- スケール: 1/10
- バリエーション: 2種類のバリアント
- カテゴリ: レーサー
9. Typhoon NEXT(コンセプト)#
ParkZone Typhoon2改造版(開発中)。
- ベース機: ParkZone Typhoon2
- ステータス: コンセプト/将来プロジェクト
モデルファイルの構成#
Dmitry NizhのFMSモデルには以下のファイルが含まれます:
- .par: FMSパラメータファイル(飛行特性定義)
- .x: 3Dメッシュファイル(機体形状)
- .bmp: テクスチャファイル(外観)
- readme.txt: 説明・ライセンス情報
FMSモデルの活用方法#
1. 飛行シミュレーション学習#
FMSで基本的な飛行操作を習得:
- 離陸・着陸手順
- 基本的な3D機動(ホバリング、トルクロール)
- スロープソアリング技術
2. 機体特性の比較研究#
複数の機体を比較して設計パラメータの影響を理解:
- 重量の影響: 93g(24"マイクロ3D)vs 112g(Clik-like 30")
- 翼幅の影響: 24インチ vs 48インチ
- 構造材の違い: EPP vs Depron/EPP/Carbon複合材
3. 新規設計のベンチマーク#
自作機のFMSモデルを作成する際のリファレンスとして活用:
- 実機ベースの飛行特性データ
- .parファイルのパラメータ設定例
- 3Dメッシュのモデリング手法
JSBSim/FlightGearとの関連#
FMSモデル(.par形式)は直接JSBSim/FlightGearで使用できませんが、以下の学習に役立ちます:
1. 機体設計パラメータの理解#
FMSの.parファイルには以下のパラメータが含まれます:
- 翼幅、翼面積、アスペクト比
- 重量、重心位置
- 空力係数(CL、CD、Cm)
これらはJSBSim XMLファイルの設計時に参考になります。
2. 飛行特性の予備検証#
JSBSim機体XMLを作成する前に、FMSで類似機体の飛行特性を確認できます:
- トリム状態での姿勢
- 失速特性
- 操縦応答
まとめ#
Dmitry NizhのFMSモデルコレクションは、実機ベースの高精度飛行シミュレーションを提供します。
特徴:
- 12機種以上の多様な機体(人気機3種、カスタムビルト9種以上)
- 実機ベースの正確な飛行特性
- 無償公開(Freeware)
活用方法:
- 飛行シミュレーション学習
- 機体特性の比較研究
- JSBSim機体設計の参考資料
入手先:
- 公式サイト: https://www.dmitrynizh.com/fms-models.htm
- Evidence Level: L2(コミュニティ権威)
FMSモデルコレクションを活用することで、実機の飛行特性を体験し、JSBSim/FlightGear機体設計の理解を深めることができます。
関連リソース#
公式サイト#
- Dmitry Nizh FMS Models Collection
- URL: https://www.dmitrynizh.com/fms-models.htm
- License: Freeware
- Evidence Level: L2(コミュニティ権威)
- アクセス日: 2025-10-27
FMS公式サイト#
- Flying Model Simulator (FMS)
- URL: http://n.ethz.ch/~mmoeller/fms/
- 開発者: Roman Möller, Michael Möller
- License: Freeware
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