Sekiai.netのFMSモデルとは#

Sekiai.netは、日本のRC飛行機愛好家によるFMS(Flying Model Simulator)向けのSouthernXシリーズを公開しているサイトです。EPPフォーム製フライングウィングを中心に、7機種のバリエーションが無償公開されています。

基本情報#

  • 公式サイト: https://sekiai.net/fms_myPlane.html
  • ライセンス: Freeware(無償公開)
  • 機種数: 7機種(SouthernX-1, -2, -3, -3v4, -4, -i, -AM)
  • Evidence Level: L2(コミュニティサイト)

SouthernXシリーズ概要#

SouthernXシリーズは、EPPフォーム製フライングウィングを基本設計とし、各機種で異なる飛行特性・用途を持ちます。

シリーズの特徴#

  • 構造: EPP(発泡ポリプロピレン)フォーム
  • カテゴリ: フライングウィング
  • 翼幅: 100g級~1500mm
  • 開発期間: 2004年~2006年(反復開発)
  • ファイル形式: .par(FMSパラメータ)、.x(3Dメッシュ)、.bmp(テクスチャ)

各モデル紹介#

1. SouthernX-1#

シリーズの原点となるEPPフォーム・フライングウィング。

  • 構造: EPPフォーム・フライングウィング
  • ファイルサイズ: 99KB
  • 特徴: シンプルな初期設計
  • 用途: 基本的なフライングウィング飛行学習

2. SouthernX-2#

RC Groupsフォーラムで紹介された改良版。

  • 翼幅: 1500mm
  • 構造: フォーム製
  • ファイルサイズ: 73KB
  • 特徴: 空力改善版
  • コミュニティ: RC Groups掲載

3. SouthernX-3#

3翼SouthernX、ロケットスタイル胴体を採用。

  • 構造: 3翼構成、ロケットスタイル胴体
  • ファイルサイズ: 83KB
  • 特徴: ジオメトリ改良版
  • 設計: ロケットスタイル構造

4. SouthernX-3v4(⭐注目)#

4度の上反角を追加した改良版、Version 4。

  • 上反角: 4度(4-degree dihedral)
  • 垂直尾翼: 強化版
  • ファイルサイズ: 234KB(3Dモデル複雑化)
  • 開発期間: 2004年作成 → 2006年改良
  • 付属品: Metasequoia 3Dモデルソース
  • 特徴: キット設計として人気

Version 4の改良点:

  • 重量配分改善
  • 垂直尾翼強化
  • 3Dモデリング精度向上

5. SouthernX-4#

パターンフライングウィング、最も高度なモデル。

  • カテゴリ: パターンフライングウィング
  • ファイルサイズ: 161KB
  • 飛行特性: 通常飛行+特殊飛行モード
  • 機能: モード切替対応(RCコントローラー連携)
  • 用途: 高度なパターン飛行

6. SouthernX-i#

軽量アクロバット版(100g級)。

  • 重量: 100g
  • カテゴリ: 軽量アクロバット
  • ファイルサイズ: 142KB
  • 設計: パターンフライングウィング・ジオメトリ
  • 用途: 軽量機アクロバット

7. SouthernX-AM#

AMバンド版(プロポーショナル制御なし)。

  • 制御方式: AMバンド変調
  • ファイルサイズ: 97KB
  • 特徴: ダイレクトコントロール対応
  • 付属: 専用リファレンス資料

開発の歴史と反復改善プロセス#

Version 4(SouthernX-3v4)の開発#

2年間の改良プロセス:

  1. 2004年: SouthernX-3初期版作成
  2. 2006年: Version 4へ改良
    • 上反角4度追加
    • 垂直尾翼強化
    • 重量配分改善

開発履歴ファイル#

  • .bakファイル: 開発過程のバックアップ
  • Metasequoia 3Dモデル: ソースファイル付属
  • リファレンスページ: 各機種の詳細説明

FMSモデルファイルの構成#

各SouthernXモデルには以下のファイルが含まれます:

  • .par: FMSパラメータファイル(飛行特性定義)
  • .x: 3Dメッシュファイル(機体形状)
  • .bmp: テクスチャファイル(外観)
  • readme.txt: 説明・ライセンス情報
  • リファレンスページ: 各機種の詳細仕様(Webページ)

SouthernXシリーズの活用方法#

1. フライングウィング飛行の学習#

EPPフォーム製フライングウィングの基本特性を理解:

  • 尾翼なし機体の制御特性
  • エレボン(エルロン+エレベーター)操作
  • 重心位置の影響

2. 段階的な学習パス#

SouthernXシリーズを難易度順に学習

  1. SouthernX-1: 基本的なフライングウィング
  2. SouthernX-2: 空力改善版
  3. SouthernX-3v4: 上反角付き安定版
  4. SouthernX-4: パターン飛行対応版

3. 機体改造の研究#

Version 4(SouthernX-3v4)の反復改善プロセスから学ぶ:

  • 上反角の効果(4度)
  • 垂直尾翼強化による方向安定性向上
  • 重量配分の最適化

4. 軽量機設計の参考#

SouthernX-i(100g)から軽量機設計のヒントを得る:

  • EPPフォーム構造の最適化
  • 軽量化と強度のバランス
  • アクロバット性能の実現

JSBSim/FlightGearとの関連#

FMSモデル(.par形式)は直接JSBSim/FlightGearで使用できませんが、以下の参考になります:

1. フライングウィング設計の理解#

SouthernXシリーズからフライングウィング特有のパラメータを学習:

  • 尾翼なし機体の空力係数
  • エレボン制御の実装
  • 重心位置の重要性

2. 反復開発プロセスの参考#

Version 4の開発履歴から反復改善の方法を理解:

  • .bakファイルによるバージョン管理
  • 2年間の段階的改良
  • 飛行特性のフィードバック反映

まとめ#

Sekiai.netのSouthernXシリーズは、日本発のFMSフライングウィングモデルとして、段階的な学習に最適です。

特徴:

  • 7機種のバリエーション(SouthernX-1~AM)
  • EPPフォーム製フライングウィング
  • 2年間の反復改善プロセス(Version 4)
  • Metasequoia 3Dモデルソース付属

活用方法:

  • フライングウィング飛行の学習
  • 段階的な難易度向上(-1 → -2 → -3v4 → -4)
  • 機体改造研究(Version 4の改良プロセス)
  • 軽量機設計の参考(SouthernX-i: 100g)

入手先:

SouthernXシリーズを活用することで、フライングウィングの飛行特性を体験し、JSBSim/FlightGear機体設計の理解を深めることができます。


関連リソース#

公式サイト#

FMS公式サイト#


関連記事#

  • Dmitry NizhのFMSモデルコレクション紹介 - 実機ベース精密モデルの宝庫(記事B-5)
  • JSBSim座標系理解のための公式リソースガイド - 23件のドキュメント紹介(記事B-3)

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