【FlightGearでJSBSim機体を飛ばす】シリーズ#
- ← 第1回: FlightGear概要・インストール
- 第2回(本記事): JSBSim機体の起動・基本操作
前回(第1回)でFlightGearのインストールが完了しました。今回は、JSBSim XML Generatorで生成した自分の機体をFlightGearで実際に飛ばします。
機体ファイルの配置、FlightGearでの起動、基本的な飛行操作を順を追って解説します。
この記事で学べること#
- JSBSim機体ファイルの配置方法
- FlightGearでカスタム機体を選択・起動する方法
- 基本的な飛行操作(スロットル、操縦桿)
- よくある問題と対処法
対象読者#
- JSBSim XML Generatorで機体XMLを生成済みの方
- FlightGearをインストール済みの方(第1回完了)
- 自分の機体を実際に飛ばしたい方
JSBSim機体ファイルの配置#
機体ディレクトリの確認#
FlightGearが機体を認識するディレクトリ:
Windows:
C:\Users\[YourName]\AppData\Roaming\flightgear.org\Aircraft\Mac/Linux:
~/.fgfs/Aircraft/存在しない場合は作成:
mkdir -p ~/.fgfs/Aircraft機体ファイルの配置#
JSBSim XML Generatorの出力ディレクトリを、そのままコピーします:
Aircraft/
└── MyAircraft/ ← ディレクトリごとコピー
├── MyAircraft.xml ← JSBSim FDMファイル
├── MyAircraft-set.xml ← FlightGear設定ファイル(必須)
├── Engines/
└── Systems/重要: MyAircraft-set.xml(FlightGear設定ファイル)が必須です。JSBSim XML Generatorの最新版では自動生成されます。
FlightGearで機体を選択・起動#
FlightGearランチャー起動#
- Windows: スタートメニュー → FlightGear → FlightGear Launcher
- Mac: アプリケーション → FlightGear
機体選択#
- Aircraft タブをクリック
- 検索ボックスに自分の機体名を入力(例: “MyAircraft”)
- 機体が表示される → クリックして選択
表示されない場合:
- ディレクトリ配置を確認(前セクション参照)
-set.xmlファイルの有無を確認- FlightGearランチャーを再起動
場所選択#
Location タブ:
- Airport: KSFO(サンフランシスコ国際空港、デフォルト)
- Runway: 28R(長い滑走路、離陸しやすい)
起動#
- Fly! ボタンをクリック
- FlightGearが起動(数十秒かかります)
- 自分の機体が滑走路に配置されます
基本的な飛行操作#
キーボード操作#
エンジン・スロットル:
PageUp: スロットル増加PageDown: スロットル減少}(右波括弧): エンジン始動
操縦桿(ピッチ・ロール):
↑: 機首を下げる(エレベーター下げ)↓: 機首を上げる(エレベーター上げ)←: 左ロール(エルロン左)→: 右ロール(エルロン右)
ブレーキ:
b: ブレーキ
離陸手順#
- スロットル100%(
PageUp連打) - 速度が15-20 m/s付近まで上昇(トリム速度)
- 機首を上げる(
↓キー) - 離陸成功!
ポイント: トリム速度(安定飛行速度)に達していないと離陸できません。A-4記事でトリム探索を実行しましょう。
旋回・着陸#
旋回:
←または→でロール↓で機首を少し上げて高度維持
着陸:
- スロットル減少(
PageDown) - 滑走路に向かって降下
- 接地前にスロットルゼロ、ブレーキ(
b)
重要: 最初は墜落して当然です。FlightGearでの飛行試験を繰り返し、機体パラメータを調整していきましょう。
よくある問題と対処法#
問題1: 機体が選択できない#
症状: FlightGearランチャーで自分の機体が表示されない
原因: -set.xmlファイルが不足、ディレクトリ配置が間違っている
解決策:
- ディレクトリ構造を確認(前セクション参照)
-set.xmlファイルの有無を確認- FlightGearランチャーを再起動
問題2: 起動時にエラー#
症状: FlightGear起動時にクラッシュ、エラーメッセージ表示
原因: XML構文エラー
解決策:
- JSBSim CLIで検証(C-2記事参照)
- XMLエラーを修正
問題3: 機体が飛ばない#
症状: スロットル全開でも離陸できない
原因: 推力不足、空力係数が不適切、トリム未設定
解決策:
- トリム探索実行(A-4記事参照)
- Excel入力テンプレートで推力・空力係数を調整
まとめ#
JSBSim機体をFlightGearで飛ばすことができました!機体の配置、起動、基本操作を習得しました。
FlightGearでの飛行試験を繰り返し、機体を改良していきましょう。トリム探索、パラメータ調整を繰り返すことで、より安定した機体に仕上がります。
次のステップ#
FlightGearでの飛行試験が完了したら、次は機体を改良していきましょう。
その他の関連記事:
- トリム探索機能の使い方 - 安定飛行の設定を見つける
- JSBSim XML出力の確認方法 - XMLファイルの検証
- Excel入力テンプレート完全ガイド - パラメータの調整
参照資料#
本記事の執筆にあたり、以下の資料を参照しました:
公式ドキュメント#
FlightGear Wiki - オープンソース
- Custom Aircraft, Keyboard Controls
JSBSim Reference Manual - Public Domain
- FlightGearとの連携方法
オープンソースプロジェクト#
- JSBSim XML Generator - CC BY-NC-SA 4.0
- 機体XMLの生成、配置方法
その他#
- 筆者の過去調査データ(jsbsim_investigation, private repository)
- FlightGear操作経験、飛行試験データ
© 2025 Yaaasoh. All Rights Reserved.
本記事の著作権はYaaasohに帰属します。引用部分については各引用元のライセンスが適用されます。