テーマ2-19:高頻度打上げに資するロケット部品・コンポーネント等の開発
概要
商業宇宙産業の成長や宇宙探査の進展、技術革新等に伴い、衛星コンステレーションの構築をはじめとして、国内外で衛星等を打ち上げる需要がますます増加しています。しかし、世界的にロケットの打上げ機会が圧倒的に不足している状況にあります。
近年の我が国の国内ロケットの年間打上げ機数は10機未満となっており、国内の衛星事業者の需要を満たすことができず、衛星事業者は打上げ機会を求めて、海外での打上げを選ばざるを得ない状況です。この結果、経済的損失や技術開発の遅れなどが生じています。
技術開発の内容
本テーマでは、国際競争力のある高頻度打上げを実現するロケット部品・コンポーネント等の技術開発を支援します。具体的には以下の技術開発を対象とします:
- 量産化技術:部品・コンポーネントの量産化による打上げの高頻度化
- 小型軽量化技術:部品・コンポーネントの小型軽量化、高機能化による打上げ能力の強化
- 低コスト化技術:部品・コンポーネントの低コスト化による打上げ価格の低コスト化
- 共通化技術:複数のロケットで共通して利用可能なコンポーネント開発
これらの技術開発により、我が国の宇宙輸送システムにおける自律的かつ持続的なサプライチェーンの構築を目指します。
対象技術の優先度
非常に重要
- 液化メタンエンジン
重要
- 非火工品分離機構技術
- 高純度液化メタン燃料生成
- 液体水素エンジンの高性能化技術
- 液体ロケットエンジンの大推力化技術
- アビオニクス機器の低コスト化、小型化技術
- 推進系部品・コンポーネントの低コスト化技術、小型化技術
- 長寿命液体燃料エンジン技術
- ペイロードインタフェース効率化技術
- 複数衛星搭載技術
- フェアリングの大型化技術
- 衛星や船を用いたテレメトリ技術
公募情報
公募スケジュール
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 公募開始 | 2025年5月16日 |
| 応募締切 | 2025年7月17日(正午) |
| 一次審査(書面) | 2025年7月下旬~9月中旬 |
| 二次審査(ヒアリング) | 2025年9月中旬~10月中旬 |
予算規模・実施期間
- 支援総額:最大195億円程度(飛行実証費用を含まない)
- 1件あたりの上限:40億円程度
- 採択予定件数:10件程度
- 実施期間:支援開始後2年目を目途にステージゲート評価を実施
– ステージゲート評価の結果により、それ以降最長2年程度の支援が可能
補助率
- 支援類型A(TRL5以上)
– 大企業:3分の2
– 中小企業・スタートアップ:4分の3
- 支援類型B(TRL5未満)
– 大企業:4分の3
– 中小企業・スタートアップ:10分の10
応募要件
必須要件
- e-Radの機関・研究者登録が完了していること
- 国内に研究開発拠点を有する日本の法律に基づく法人格を持つこと
- 研究代表者・研究分担者は日本の居住者であること
- 申請時点でTRLレベル5相当以上(5未満も可能だが支援類型Bとなる)
実施体制要件
- 提案技術開発に必要な知見・技術、当該分野の技術開発実績を有すること
- 将来的な顧客候補先企業と十分にすり合わせを行いながら技術開発を進める体制
- 開発する部品・コンポーネントの社会実装に向けた持続的な事業計画
審査基準
主な審査・評価の観点:
- 技術開発課題の目標達成への貢献
– 供給予定のロケット事業者から提示される要求仕様への適合性
– 小型軽量化、高機能化、共通化等によるロケット打上げ能力への寄与度(定量的数値を用いること)
– 申請時点のTRL及び事業開始以降の各TRLにおける検証計画の妥当性
– ロケットシステム全体の低コスト化に対する寄与度
– ロケットの高頻度打上げに対する寄与度(納期短縮、供給量増加等)
- 事業の持続性・実現可能性
– 事業としての持続性(他産業への裨益、外需の獲得、リスク分散等)
– 民間企業の場合、経営戦略等における位置づけ、経営者のコミットメント
– VC等からの評価、民間資金調達の将来性
- 実施体制・マネジメント
– 必要な知見・技術、技術開発実績の保有
– 研究代表者のリーダーシップ・マネジメント能力
– 顧客候補先企業とのすり合わせ体制
- ステークホルダー評価
– 顧客候補(複数のロケット事業者等)からの評価
– 開発完了後の調達を約束する書面の有無
関連資料
お問い合わせ
本公募に関するお問い合わせは、JAXA宇宙戦略基金事務局までお願いします。
詳細はJAXA公式ページをご確認ください。
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*最終更新日:2025年6月29日*

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