テーマ16:高精度衛星編隊飛行技術

テーマ16:高精度衛星編隊飛行技術

宇宙戦略基金第1期において、複数衛星の高精度編隊飛行を実現する技術開発プロジェクトが採択されました。

採択プロジェクト情報

1. インターステラテクノロジズ株式会社

研究代表者:稲川 貴大
技術開発課題名:「超多数機の精密制御が可能な編隊飛行技術の構築」
技術開発課題の概要:
1,000~100,000機オーダの多数の超(々)小型衛星を、相対距離をセンチメートル精度で保ちつつ、数十mの範囲に配置してLEO上で編隊飛行させる技術を構築する。これにより、同じ総重量に対して相対的に大規模ないし大電力を要する建造物を宇宙空間に設置でき、NTN direct-to-device通信用の高利得アンテナなど 、従来衛星では実現が難しかった産業アプリケーションを期待できる。それぞれの超々小型衛星に電磁石を搭載し、全体が指定の衛星配置となるよう相互に吸引・反発することで配置制御を行う。
本技術開発では、各衛星に搭載するリアルタイム分散制御アルゴリズム、衛星間の遅延保証型通信系、配置センシング機構やアクチュエータ制御機構、制御アルゴリズムの低電力・高集積処理系などの主要技術を検討し確立する。多数衛星の挙動を高精度評価するシミュレーション技術も確立する。

2. 国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学

研究代表者:稲守 孝哉
技術開発課題名:「半永久的 Software Defined 編隊飛行と宇宙 MIMO 通信への展開」
技術開発課題名
本研究開発では、Pico級の超小型衛星にてソフトウエア定義型で推進剤フリーの半永久的な新たな編隊飛行技術を研究開発する。さらに宇宙利用拡大のため宇宙MIMO通信を新たな編隊飛行にて構築することを目指す。
本研究開発では、1基の衛星から複数基の衛星を分離・展開し、宇宙環境を活用して推進剤フリーの編隊飛行を達成する。また、物理的相互作用を活かしてコンパクトで高精度なソフトウエア定義型の柔軟なシステムを実現し、Pico級衛星でのサブメートル級の精度を達成する。さらに、宇宙MIMO通信により通信容量を大幅に向上させ、多くのIoTデバイスが宇宙と接続可能な新たな宇宙システムを構築する。これにより、ソフトウエアのアップデートのみで即座に異なる目的に対応できる拡張性のあるプラットフォームを提供し、宇宙ビジネスへの参入障壁を低減する。本研究開発では持続可能な宇宙ビジネスを強く後押しする衛星編隊飛行システムの基盤技術を研究開発する。

3. 東京大学 大学院

研究代表者:五十里 哲
技術開発課題名:「SEIRIOS による超高精度編隊飛行衛星制御技術の獲得」
技術開発課題名
本研究では超小型衛星によるオンボードリアルタイムでのサブ mm 級の高精度編隊飛行技術を獲得し、さらにプロジェクト終了後も将来に渡って高精度編隊飛行技術を維持・発展させる体制を構築することを目指す。具体的には「柱 1.超小型衛星による高精度編隊飛行技術実証衛星 SEIRIOS の開発・軌道上運用」、「柱 2. 地上での高精度編隊飛行技術実証用の高性能地上実験装置群の開発・整備」、「柱 3. 高精度編隊飛行技術者・利用者のコミュニティ形成」の3つの柱を建て、それぞれを有機的に結合することで衛星プロジェクトの実現と将来の高精度編隊飛行計画のための体制構築を行う。本研究の肝である SEIRIOS プロジェクトでは、3 機(10kg 級 2 機, 40kg 級 1 機)・サブ mm 制御精度・⾚外線⼲渉計実証という世界最先端の技術実証ミッションを目指す。以上より、高精度編隊飛行技術を日本に根付かせ、複数衛星編隊飛行を用いた宇宙ミッションが当たり前となる世界を切り開く。

基本情報

テーマID:16
カテゴリ:衛星等

公募・採択スケジュール

公募開始 | 2024年8月7日
応募締切 | 2024年9月30日
ヒアリング | 2024年12月4日
採択発表 | 2024年12月20日

関連資料

実施テーマ詳細(JAXA公式)
– 採択結果発表資料:JAXA宇宙戦略基金サイトにて公開

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