テーマ2-15:月面インフラ構築に資する要素技術
概要
月面は世界各国において探査活動・開発活動の対象となりつつあり、2040年までに世界の月関連市場規模は1,700億米ドル(約27.3兆円)に達するという試算も存在します。
この巨大な市場を見据え、将来の月面経済圏の創出に伴う経済的機会を確実に捉えるためには、将来的な民間活動の段階的な発展による経済圏の構築を想定した上で、そのファーストステップとして全ての月面活動の前提となる月面環境に関するデータや月面での重要技術等を早期に獲得することが重要です。
また、これらの活動を通じて、我が国が国際的なプレゼンスを発揮し、月面での活動実績を積み重ねることが、将来的な月面活動における国際規範・ルール形成、国際市場の獲得等に向けて極めて重要となります。
技術開発の内容
本テーマでは、月面インフラ構築に資する要素技術の開発を支援します。将来の月面経済圏の創出を見据え、全ての月面活動の前提となる月面環境に関するデータや月面での重要技術等を早期に獲得することを目的とします。
対象となる技術分野
月面インフラ構築に資する要素技術として、以下のような技術を対象とします:
- 月面環境データ取得技術
– 地形・地質調査技術
– 環境モニタリング技術
– 資源探査技術
- 月面での建設・製造技術
– 現地材料を用いた建設技術
– 3Dプリンティング技術
– 構造物組立技術
- 月面での通信・測位技術
– 月面通信ネットワーク技術
– 測位・ナビゲーション技術
– データ中継技術
- 月面での電力供給技術
– 太陽光発電システム
– エネルギー貯蔵技術
– 電力配分・管理技術
- 月面での資源利用技術
– 水資源抽出・精製技術
– レゴリス利用技術
– 資源貯蔵・輸送技術
- 月面での移動・輸送技術
– ローバー技術
– 物資輸送システム
– 人員輸送技術
- その他月面活動に必要な基盤技術
特徴
- 将来的な民間活動の発展に貢献する技術を重視
- 非宇宙分野からの参画も歓迎し、多様な技術の活用を促進
- 月面での実証を見据えた実用的な技術開発を支援
公募情報
公募スケジュール
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 公募開始 | 2025年5月16日 |
| 応募締切 | 2025年7月17日(正午) |
| 一次審査(書面) | 2025年7月中旬~8月中旬 |
| 二次審査(ヒアリング) | 2025年8月中旬~9月中旬 |
| 結果通知 | 2025年9月下旬~10月頃 |
予算規模・実施期間
- 予算規模:1件あたり数億円程度
- 実施期間:2~3年程度を想定
- 採択予定件数:複数件(技術分野のバランスを考慮)
応募要件
必須要件
- e-Radの機関・研究者登録が完了していること
- 国内に研究開発拠点を有する法人
- 月面技術開発に必要な知見・経験を有すること
歓迎要件
- 非宇宙分野からの参画
- 異分野連携による提案
- 国際協力の視点を持つ提案
審査基準
- 技術的評価
– 技術の革新性・独創性
– 月面環境での実現可能性
– 技術成熟度(TRL)の向上計画
– 他技術への波及効果
- 事業性評価
– 将来の月面経済圏への貢献度
– 事業化・商業化への道筋
– 国際競争力の確保
– 持続可能な事業モデル
- 実施体制
– 必要な技術・知見の保有
– プロジェクト管理能力
– 非宇宙分野との連携体制
– リスク管理体制
期待される成果
本テーマを通じて、以下の成果が期待されます:
- 月面活動の基盤技術確立:将来の月面経済圏構築に必要な要素技術の獲得
- 国際競争力の強化:我が国独自の月面技術による国際市場での優位性確保
- 産業エコシステムの形成:宇宙・非宇宙分野の連携による新たな産業創出
- 国際プレゼンスの向上:月面活動における日本の存在感と発言力の強化
関連資料
お問い合わせ
本公募に関するお問い合わせは、JAXA宇宙戦略基金事務局までお願いします。
詳細はJAXA公式ページをご確認ください。
—
*最終更新日:2025年6月29日*


コメント