テーマ2-17:宇宙転用・新産業シーズ創出拠点「SX-CRANE」

テーマ2-17:宇宙転用・新産業シーズ創出拠点「SX-CRANE」

テーマID: theme2_17
カテゴリ: 分野共通(第二期)
作成日: 2025-10-22

テーマ2-17:宇宙転用・新産業シーズ創出拠点「SX-CRANE」

概要

世界的な宇宙産業の急速な拡大と激化する国際競争の中、日本の宇宙産業が持続的に成長するためには、既存の宇宙技術の延長線上にとどまらず、非宇宙分野の先端技術を積極的に取り込み、革新的な研究開発成果を創出する必要があります。

従来、宇宙技術開発は宇宙分野内で完結することが多く、他分野との技術融合が十分に進んでいませんでした。しかし、近年のAI、バイオテクノロジー、新材料、量子技術などの非宇宙分野の技術革新は、宇宙分野に応用することで大きなブレークスルーをもたらす可能性を秘めています。

本プログラム「SX-CRANE(Space X-over Creation by Research And iNnovation Ecosystem)」では、大学等の研究機関を中心に、宇宙分野と非宇宙分野の先端技術を融合させた研究開発拠点を形成し、特色ある技術や領域において国際競争力のある革新的な研究開発成果を創出します。牽引型(卓越した研究者が中核)または共用型(高度な研究開発環境が中核)の2つの推進体制により、人材・技術・資金の好循環を生み出し、宇宙産業の裾野拡大と地方創生にも貢献します。

技術開発の内容

本テーマでは、以下の技術開発を対象とします:

1. 異分野技術の宇宙転用

非宇宙分野の先端技術を宇宙分野に適用する研究開発を推進します:

AI・情報技術の宇宙転用

  • 機械学習の宇宙機制御:地上で発展したAI技術の宇宙機への応用
  • 画像認識技術:自動運転技術の惑星探査への転用
  • ビッグデータ解析:商業データ解析技術の衛星データ処理への応用
  • 量子コンピューティング:軌道最適化・暗号通信への活用

バイオ技術の宇宙転用

  • 合成生物学:宇宙環境での物質生産
  • 微生物利用:月・火星での資源生成
  • 生体材料:宇宙放射線遮蔽材の開発
  • 生命維持技術:閉鎖環境での食料・酸素生成

新材料技術の宇宙転用

  • ナノ材料:軽量高強度構造材
  • スマートマテリアル:自己修復材料
  • 超伝導材料:高効率電力システム
  • メタマテリアル:新機能デバイス
2. 宇宙技術の地上転用

宇宙技術を地上産業に応用する研究開発を推進します:

小型化技術の地上応用

  • 超小型センサー:IoT・ウェアラブルデバイスへの応用
  • 高集積化技術:民生電子機器への転用
  • 低電力技術:省エネ機器の開発
  • 耐環境技術:極限環境機器への応用

宇宙データ利用技術

  • 衛星測位応用:自動運転・精密農業への活用
  • リモートセンシング:都市計画・災害対策への応用
  • 宇宙天気予報:通信・電力インフラ保護
  • 宇宙環境計測:気候変動研究への貢献

信頼性技術の転用

  • 高信頼性設計手法:重要インフラへの応用
  • 故障予測技術:予防保全システム
  • 冗長化技術:重要システムの安全性向上
  • 品質管理手法:製造業への展開
3. 学際的研究開発

複数分野の融合による革新的研究を推進します:

宇宙×医療

  • 遠隔医療技術:僻地医療への応用
  • 無重力環境研究:再生医療への応用
  • 放射線影響研究:がん治療技術開発
  • 健康管理システム:高齢者見守りへの転用

宇宙×エネルギー

  • 宇宙太陽光発電:地上エネルギー問題の解決
  • 高効率太陽電池:再生可能エネルギー技術
  • ワイヤレス電力伝送:エネルギー送電革新
  • 核融合技術:将来エネルギー源

宇宙×環境

  • 地球環境監視:気候変動対策
  • 資源循環技術:循環型社会の実現
  • 環境浄化技術:汚染対策への応用
  • 生態系保全:生物多様性維持
4. 研究開発拠点形成

国際競争力のある研究拠点を構築します:

牽引型拠点(研究者中核)

  • 卓越した研究者の招聘:世界トップクラスの人材確保
  • 研究チーム形成:多様な専門家の集結
  • 産学連携体制:民間企業との密接な協力
  • 国際共同研究:海外研究機関とのネットワーク

共用型拠点(設備中核)

  • 先端研究設備:高度な実験・試験装置
  • 共同利用体制:多様な研究者への開放
  • 技術サポート:専門技術スタッフの配置
  • オープンイノベーション:外部との積極的連携

人材育成機能

  • 大学院教育:次世代研究者の育成
  • 企業人材研修:産業界への人材供給
  • 国際人材交流:グローバル人材の育成
  • キャリアパス整備:研究者のキャリア支援
5. ビジネスモデル創出

新たな宇宙産業・利用ビジネスを創出します:

技術移転促進

  • 知財戦略:特許取得と戦略的活用
  • ライセンシング:技術の商業化
  • スタートアップ支援:大学発ベンチャー創出
  • 技術マッチング:企業ニーズとのマッチング

新規事業創出

  • ビジネスモデル構築:収益性のあるモデル設計
  • 市場調査:潜在需要の発掘
  • 実証実験:事業化前の検証
  • 投資家マッチング:資金調達支援

地方創生への貢献

  • 地域産業活性化:地元企業との連携
  • 雇用創出:地域での雇用機会
  • 地域ブランド:宇宙産業拠点としての認知度向上
  • 人材定着:若手人材の地域定着

期待される効果

本プログラムによる研究開発拠点形成により、以下の効果が期待されます:

技術革新の加速
  • 異分野融合による革新的技術の創出
  • 国際競争力のある研究開発成果
  • 技術移転による産業波及効果
  • イノベーションエコシステムの形成
宇宙産業の裾野拡大
  • 非宇宙分野企業の宇宙産業参入
  • 新規宇宙ビジネスの創出
  • サプライチェーンの強化
  • 産業集積の形成
人材・技術・資金の好循環
  • 優秀な研究者・技術者の集積
  • 民間資金の呼び込み
  • 大学発ベンチャーの創出
  • 持続的な成長基盤の構築

公募情報

公募スケジュール

項目 日程
公募開始 2025年8月8日
公募締切 2025年10月2日(正午)
一次審査(書面) 2025年10月中旬~12月中旬
二次審査(ヒアリング) 2025年12月中旬~2026年1月中旬
結果通知・発表 2026年2月頃

応募要件

必須要件

  • e-Radの機関・研究者登録が完了していること
  • 国内に研究開発拠点を有する日本の法律に基づく法人格を持つこと
  • 研究代表者・研究分担者は日本の居住者であること
  • 大学等研究機関を中核とする体制であること

実施体制要件

  • 牽引型:卓越した研究者を中核とする体制
  • 共用型:高度な研究開発環境を中核とする体制
  • 民間事業者等との連携構築
  • 非宇宙分野との連携を重視
  • 宇宙技術戦略を参照した提案

審査基準

主な審査・評価の観点:

  • 研究開発の革新性

– 異分野融合による新規性
– 国際競争力のある成果創出の可能性
– 技術的ブレークスルーの期待

  • 拠点形成の実現性

– 研究者・設備の卓越性
– 人材・技術・資金の好循環形成計画
– 持続的運営体制

  • 産業波及効果

– 宇宙産業の裾野拡大への貢献
– 新規ビジネスモデルの創出
– 地方創生への貢献

  • 実施体制・マネジメント

– 研究代表者の研究実績と指導力
– 産学連携体制の構築
– 非宇宙分野との連携体制

関連情報

国内外の動向

海外の異分野融合拠点

  • MIT Media Lab(米国):学際的研究の先駆
  • NASA Ames Research Center(米国):シリコンバレーとの連携
  • ESA Business Incubation Centers(欧州):宇宙技術の事業化支援

国内の研究拠点

  • 各大学の宇宙関連研究センター
  • 産業技術総合研究所
  • 理化学研究所

関連資料

まとめ

テーマ2-17「宇宙転用・新産業シーズ創出拠点 SX-CRANE」は、大学等研究機関を中心に、宇宙分野と非宇宙分野の先端技術を融合させた研究開発拠点を形成し、国際競争力のある革新的な研究開発成果を創出する画期的なプログラムです。

牽引型または共用型の2つの推進体制により、異分野技術の宇宙転用、宇宙技術の地上転用、学際的研究開発を推進し、人材・技術・資金の好循環を生み出すことで、宇宙産業の裾野拡大と地方創生に貢献します。

応募締切は2025年10月2日(正午)です。卓越した研究実績を持つ研究者、高度な研究開発環境を有する機関、異分野融合に意欲的な大学・研究機関の皆様は、ぜひご応募をご検討ください。

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