テーマ5:月-地球間通信システム開発・実証(FS)
宇宙戦略基金第1期において、月探査活動を支える高速・大容量通信システムの開発・実証プロジェクトが採択されました。
採択プロジェクト情報
1. KDDI株式会社
– 研究代表者:今井 尚樹
– 技術開発課題名:「月-地球間及び月面での大容量通信実現に向けた実現可能性検討」
– 技術開発課題の概要:
国際⽉探査プログラム「アルテミス計画」や民間・大学等の⽉探査では大容量通信等の要求があるが、対応可能な地上局や⽉面通信環境は現存せず、宇宙技術戦略でも当該技術整備の重要性が記されている。本技術開発では国内外動向も鑑み、1年間のフィージビリティスタディの中で通信要求に対応した地上局及び地上局ネットワークの基本設計と⽉面モバイル通信環境構築の実現可能性評価を目指す。地上局については、X帯及びKa帯の送受信が可能な局が存在しない中、長距離で大容量通信が可能な地上局設計を宇宙探査用地上局開発で実績を持つ企業と行う。⽉面モバイル通信は、⽉面電波伝搬シミュレーション等による通信エリア設計、モバイル通信機器の⽉環境適用要件抽出、⽉面基地局タワー構築法検討、⽉周回衛星等と協調した通信システムの運用コンセプト策定等についてローカル5G開発、宇宙機器開発、⽉探査機開発・運用等で実績を持つ企業と共に取り組む。
2. 福井工業大学
– 研究代表者:村田 泰宏
– 技術開発課題名:「福井工業大学13.5m 地上局を利用した月-地球間通信システム設計の提案」
– 技術開発課題の概要:
福井工業大学は⽉-深宇宙用のあわら13.5m地上局(FUT13.5m)を建設し2024年に完成した。
この地上局を基に、実証・開発を進めることにより、本研究テーマにとって有益となる実証検討結果が得られることが期待される。FUT13.5mをベースとして新しい技術を取り入れ、より高性能な地上局を実現するため以下の技術の検討を行い将来あるべき⽉-地球通信システムの地上局の基本設計およびそのための地上局ネットワークの案を提案する。
検討をする項目は以下のとおりである。
1) 地上局への要求や海外のネットワークを調査と地上局の目指すべき性能の設定
2) 小型アンテナの送受信性能の改善
3) ソフトウェア無線技術を利用したベースバンド装置の開発
4) 軌道データ取得のための地上局時計および局位置の高精度化
5) 将来の地上局ネットワーク運用システムの開発計画の策定
6) 将来⽉ミッションのための地上局およびそのネットワークの基本設計の提案
基本情報
– テーマID:5
– カテゴリ:探査等
公募・採択スケジュール
| 公募開始 | 2024年7月5日 |
| 応募締切 | 2024年8月30日 |
| ヒアリング | 2024年10月17日 |
| 採択発表 | 2024年11月15日 |
関連資料
– 実施テーマ詳細(JAXA公式)
– 採択結果発表資料:JAXA宇宙戦略基金サイトにて公開

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