📊 Vibration Analysis Tool

使い方ガイド

概要

Vibration Analysis Toolは、ブラウザ内で動作する振動解析ツールです。回転機械(モーター、ポンプ、ファン等)の振動データを解析し、機械の健全性を診断します。

🔒 プライバシー保護

データはブラウザ内で処理され、サーバーに送信されません。機密性の高いデータも安心して解析できます。

⚡ 高速処理

Pyodide(Python in Browser)を使用し、本格的なFFT解析をブラウザ内で実行します。

📋 ISO準拠

ISO 10816-3に基づく振動評価基準を採用。業界標準の診断が可能です。

📤 レポート出力

解析結果をCSVやPDFでエクスポート。報告書作成を効率化します。

v7.1(最新版)を使う → v3(安定版)を使う

クイックスタート(3ステップ)

1

データを読み込む

CSVファイルを選択するか、サンプルデータを使用します。データはブラウザ内で処理され、サーバーには送信されません。

対応フォーマット: 時間列+振動値列、または振動値のみ(サンプリングレート指定)

2

解析パラメータを確認

サンプリングレートと回転速度を確認・調整します。多くの場合、自動認識された値がそのまま使えます。

  • サンプリングレート: 通常 1,000〜10,000 Hz
  • 回転速度: モーターの定格回転数(例: 1800 RPM)
3

解析を実行

「解析開始」ボタンをクリック。数秒で以下の結果が表示されます:

  • 時系列波形グラフ
  • FFT周波数スペクトラム
  • 包絡線スペクトラム(軸受診断用)
  • ISO 10816-3に基づく診断結果
初めての方は、サンプルデータ「S01: 正常」を試してみてください。正常な振動パターンを理解してから、異常データを比較すると理解が深まります。

機能説明

📈 FFT解析

高速フーリエ変換(FFT)により、振動の周波数成分を分析します。

🔍 包絡線解析

軸受の微小な損傷を検出するための高度な解析手法です。

📊 ISO 10816-3 診断

国際規格に基づく振動評価を行います。本ツールは機械グループ2(中型機械、15-300kW)を基準としています。

ゾーン別評価基準

ゾーン RMS速度 評価 推奨アクション
Zone A < 2.8 mm/s 良好 新設・整備後の正常状態。定期監視を継続
Zone B 2.8 - 7.1 mm/s 許容範囲 長期運転に適した状態。通常の監視間隔で継続
Zone C 7.1 - 11.2 mm/s 警告 制限付き運転。原因調査と補修計画を立案
Zone D > 11.2 mm/s 危険 継続運転で損傷リスク。即時停止・点検を推奨

機械グループ別の基準値(参考)

グループ 対象機械 Zone A/B境界 Zone B/C境界 Zone C/D境界
グループ1 小型機械(<15kW) 2.8 mm/s 7.1 mm/s 11.2 mm/s
グループ2 中型機械(15-300kW)※本ツール基準 2.8 mm/s 7.1 mm/s 11.2 mm/s
グループ3 大型剛基礎(>300kW) 4.5 mm/s 11.2 mm/s 18.0 mm/s
グループ4 大型柔基礎(>300kW) 7.1 mm/s 18.0 mm/s 28.0 mm/s
上記はISO 10816-3の一般的な基準値です。実際の判定は機械メーカーの推奨値や運転条件を考慮してください。

✂️ 区間選択(v5以降)

大容量データから必要な区間のみを抽出して解析できます。

📤 エクスポート(v6)

解析結果を外部ファイルとして出力できます。

サンプルデータ

6種類の故障モードを再現したサンプルデータが用意されています。学習や動作確認にご利用ください。

ID 状態 特徴 予想結果
S01 正常 バランスの取れた回転機械 Zone A
S02 アンバランス 1X成分(回転周波数)が卓越 Zone B-C
S03 ミスアライメント 2X成分(2倍周波数)が卓越 Zone B-C
S04 軸受外輪故障 BPFO周波数にピーク Zone C-D
S05 軸受内輪故障 BPFI周波数にピーク Zone C-D
S06 ルースネス 複数の高調波成分 Zone B-C
各サンプルを順番に試し、FFTスペクトラムの違いを観察すると、故障パターンの理解が深まります。

結果の見方

時系列波形

振動の時間変化を示すグラフです。

FFTスペクトラム

振動の周波数成分を示すグラフです。

包絡線スペクトラム

軸受故障の診断に特化したグラフです。

自動検出結果はあくまで参考情報です。最終判断は専門知識を持つエンジニアが行ってください。

エクスポート(v6)

CSVエクスポート

解析結果を表形式で出力します。Excel等での二次加工に便利です。

データ種別 内容 用途
診断結果 RMS値、ゾーン、推奨事項 報告書作成
FFTスペクトラム 周波数、振幅 詳細分析
時系列データ 時間、振動値 他ツールでの再解析
包絡線スペクトラム 周波数、振幅 軸受診断詳細
全データ一括 上記すべて アーカイブ

PDFレポート

5ページ構成の診断レポートを生成します。

  1. 表紙: タイトル、サンプルID、生成日時
  2. 診断サマリー: RMS速度、ゾーン、推奨事項
  3. 時系列グラフ: 波形画像
  4. FFTスペクトラム: 周波数分析画像
  5. 包絡線スペクトラム: 軸受診断画像
日本語フォントが読み込めない場合、PDFは英語表記で出力されます。

よくある質問(FAQ)

Q: どのCSVフォーマットに対応していますか?

A: 以下の7フォーマットを自動認識します:

Q: データがサーバーに送信されますか?

A: いいえ。すべての処理はブラウザ内で完結します。データは外部に送信されません。

Q: 処理時間はどのくらいですか?

A: データサイズにより異なりますが、通常は数秒〜30秒程度です。初回はPyodideの読み込みに1〜2分かかる場合があります。

Q: モバイルで使えますか?

A: 技術的には動作しますが、メモリ制約のためデスクトップブラウザを推奨します。

Q: 推奨ブラウザは?

A: Chrome、Edge、Firefox、Safari(最新版)に対応しています。

Q: v3、v6、v7、v7.1の違いは?

A:

Q: サンプリングレートが分からない場合は?

A: 不明な場合は10,000 Hz(デフォルト値)を使用してください。FFTスペクトラムの形状は正しく表示されますが、周波数軸のスケールが実際と異なる場合があります。データ収集機器の仕様を確認することをお勧めします。

Q: 解析結果の精度はどの程度ですか?

A: FFT解析自体は高精度(Python SciPyライブラリ使用)ですが、診断結果はあくまで参考情報です。軸受故障周波数の検出は軸受仕様(BPFO係数など)の正確な設定に依存します。最終判断は専門知識を持つエンジニアが行ってください。

Q: 大きなファイルが読み込めない場合は?

A: ブラウザのメモリ制限が原因です。以下をお試しください:

Q: 軸受故障周波数(BPFO等)はどう計算されていますか?

A: 一般的な深溝玉軸受(6200系)の係数を使用しています。

実際の軸受に合わせた係数が必要な場合は、軸受メーカーのカタログを参照してください。

Q: 「読み込みに失敗しました」と表示される場合は?

A: 以下を確認してください:

Q: オフラインで使えますか?

A: 初回アクセス時はインターネット接続が必要です(Pyodideライブラリの読み込み)。一度読み込むとブラウザにキャッシュされるため、その後は限定的にオフライン使用可能です。ただし、キャッシュがクリアされると再度接続が必要です。

Q: 商用利用は可能ですか?

A: 本ツールはプロトタイプとして公開されています。商用利用については、GitHubリポジトリのライセンスをご確認ください。

さっそく使ってみましょう

サンプルデータで動作を確認できます。

v7.1(最新版)を開く →