Epsilon
JAXA固体燃料小型ロケット
1 概要
Epsilonは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が開発した固体燃料小型打上げロケットであり、M-Vロケットの後継機として設計された (1)。科学衛星打上げ専用機として、柔軟性・機動性・迅速な打上げ準備を特徴とする。
基本情報: - 製造: JAXA - 主契約企業: IHI Aerospace - 初打上げ: 2013年9月14日 - 状態: 運用中 - ペイロード能力(SSO): 590 kg - ペイロード能力(LEO 250×500 km): 1,200 kg
技術的特徴: - 🔥 固体燃料推進(全段固体) - 🚀 迅速準備(液体燃料ロケットより短時間) - 🔧 柔軟性・機動性(打上げ場制約が少ない) - 🛰️ 科学衛星専用(地球観測、天文観測等) - ♻️ 既存ハードウェア再利用(H-IIAのSRB-A3ブースター転用) - 💰 低コスト(3,800万米ドル/回)
市場ポジション: 日本の科学衛星打上げ主力機
2 基本仕様
2.1 寸法・質量
| 項目 | 標準型 | 強化型 |
|---|---|---|
| 全高 | 24.4 m | 26.0 m |
| 直径 | 2.5 m | 2.6 m |
| 打上げ時質量 | 91トン | 95.1トン |
| 段数 | 3段(オプション4段目) | 3段(オプション4段目) |
2.2 ペイロード能力
| 軌道 | 能力 |
|---|---|
| SSO(太陽同期軌道) | 590 kg |
| LEO(250×500 km) | 1,200 kg |
| LEO(500 km円軌道) | 700 kg(ヒドラジン段使用時) |
| 最大(相乗り時) | 1,400 kg |
注記: - オプション4段目の使用により、より高い軌道への投入が可能
3 推進システム
Epsilonロケットは全段固体燃料推進を採用しており、迅速な打上げ準備が可能である。
3.1 第1段: SRB-A3モーター(2,3)
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| モーター名 | SRB-A3 |
| 起源 | H-IIA固体ロケットブースター転用 |
| 推進剤 | 固体燃料 |
| 推進剤質量 | 75トン |
| 推力 | 239トンフォース(2,345 kN) |
| 燃焼時間 | 109秒 |
| 直径 | 2.5 m |
| 全長 | 15.1 m |
| 設計思想 | 既存ハードウェア再利用によるコスト削減 |
技術革新: H-IIAロケットの固体ロケットブースター(SRB)を第1段として転用することで、開発コストと技術リスクを大幅に削減。
コスト削減効果: 既存のH-IIA SRB-A3生産ラインを活用することで、新規開発に比べて開発コスト・技術リスク・生産コストを大幅に削減。
3.2 第2段: M-34c / M-35(4,5)
Epsilonは2種類の第2段構成を持つ。
M-34c(Epsilon-1のみ)
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| モーター名 | M-34c |
| 起源 | M-Vロケット第3段を改良 |
| 推進剤 | 固体燃料 |
| 推力 | 327 kN |
| ノズル | 伸展ノズル |
| 使用機数 | Epsilon-1のみ |
M-35(Enhanced Epsilon: Epsilon-2以降)
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| モーター名 | M-35 |
| 起源 | M-34cの性能向上版 |
| 推進剤 | 固体燃料 |
| 推力 | 445 kN |
| 推力(トンフォース) | 45 tf |
| 燃焼時間 | 129秒 |
| 質量 | 17,200 kg |
| 直径 | 2.6 m(Enhanced Epsilonの直径拡大に対応) |
| M-34cからの改善 | +15秒燃焼時間、+36% 推力向上 |
Enhanced Epsilonへの移行: Epsilon-2から全機がM-35を採用し、ペイロード能力が向上。
3.3 第3段(3)
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 起源 | M-V上段を継承 |
| 推進剤 | 固体燃料 |
| 姿勢制御 | スピン安定化 |
3.4 第4段(オプション): PBS(3)
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 段名 | PBS(Post-Boost Stage) |
| 提供 | オプション |
| 用途 | より高い軌道への投入、軌道修正 |
| 推進剤 | ヒドラジン系液体燃料 |
| 機能 | 精密な軌道投入、複数軌道投入 |
4 設計思想
Epsilonロケットの設計思想は、固体燃料の利点を最大限活用することにある。
4.1 固体燃料の利点
- 柔軟性
- 液体燃料ロケットのような複雑な地上設備不要
- 打上げ場の制約が少ない
- 機動性
- 短時間での打上げ準備が可能
- 緊急ミッションへの対応能力
- 迅速な打上げ準備
- 液体燃料の充填作業が不要
- チェックアウト時間の大幅短縮
4.2 ターゲット市場
- 科学衛星: 地球観測衛星、天文観測衛星、惑星探査機等
- 小型ペイロード: 大学・研究機関の実験衛星
- 相乗り打上げ: 複数の小型衛星を同時打上げ
5 打上げコスト
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 打上げコスト | 3,800万米ドル/回 |
比較: 同クラスの小型ロケットと比較して競争力のあるコスト設定
6 開発史・打上げ履歴
6.1 M-Vからの継承(6)
Epsilonロケットは、M-Vロケット(1997-2006年運用)の後継機として開発された。
M-V運用実績: - 運用期間: 1997年2月12日~2006年9月23日 - 全高: 30.75 m - 打上げ時質量: 139トン - LEO能力: 1,800 kg - 打上げコスト: 7,000万米ドル/回 - 打上げ実績: 7回(6回成功、1回失敗、成功率86%)
M-Vの課題: - 高い打上げコスト: 7,000万米ドル/回は小型ロケットとして高額 - 複雑な打上げ準備プロセス - 大規模な地上設備と人員(約80名)が必要
Epsilon開発の目的: - コスト削減: 7,000万米ドル → 3,800万米ドル(約46%削減) - 既存ハードウェア再利用によるコスト削減 - 自動チェックアウトシステムによる準備時間短縮と人員削減
6.2 開発タイムライン(1)
2006年9月: M-Vロケット退役(最終フライトSOLAR-B)
2007年: Epsilon開発開始 - 当初はAdvanced Solid Rocket (ASR)と呼称
2010年8月: 本格開発フェーズ移行 - Epsilonロケットとして正式に命名 - JAXA/ISASとIHI Aerospaceが開発パートナーシップ締結
2013年: 初打上げ準備
7 打上げ履歴
Epsilonロケットは2013年から2022年まで6回の打上げを実施し、5回成功、1回失敗の実績を持つ(成功率83.3%)。
7.1 Epsilon-1(2013年9月14日)(4)
打上げ日時: 2013年9月14日 05:00 UTC(14:00 JST)
ペイロード: SPRINT-A惑星分光観測衛星
結果: 成功
意義: Epsilonロケットのデビュー打上げ
打上げ準備トラブル: - 2013年8月27日: 初回打上げ試行が打上げ19秒前に中止 - 原因: 地上コンピュータがロケットからのデータを受信しようとしたタイミングが0.07秒早かったデータ伝送エラー - 対応: システム修正後、9月14日に打上げ成功
技術的特徴: - 第2段: M-34c固体ロケットモーター(327 kN推力、伸展ノズル) - M-Vの第3段を改良したモーター
7.2 Epsilon-2(2016年12月20日)(2,5)
打上げ日時: 2016年12月20日
ペイロード: ERG(Exploration of energization and Radiation in Geospace)衛星 - 打上げ後Arase(あらせ)と改名 - 質量: 350 kg - ミッション: 磁気圏の高エネルギー粒子、波動、磁場の観測
結果: 成功
意義: Enhanced Epsilon(強化型)のデビュー
技術向上: - 第2段: M-34cからM-35へアップグレード - M-35性能: - 推力: 445 kN(M-34c: 327 kN) - 推力: 45 tf - 燃焼時間: 129秒(M-34cより15秒長い) - 質量: 17,200 kg - 直径: 2.6 m(Enhanced Epsilonの直径拡大に対応) - より重いペイロードへの対応能力向上
7.3 Epsilon-3(2018年1月18日)
打上げ日時: 2018年1月18日
ペイロード: ASNARO-2レーダー画像衛星
結果: 成功
注記: Epsilon-2の1年後、同日打上げ
7.4 Epsilon-4(2019年1月18日)(7)
打上げ日時: 2019年1月18日
ペイロード: - RAPIS-1(Rapid Innovative payload demonstration Satellite-1)- 主ペイロード - 質量: 200 kg - ミッション: 技術実証 - 小型衛星6機(相乗り)
結果: 成功
意義: 相乗り打上げ能力の実証
7.5 Epsilon-5(2021年11月9日)(8)
打上げ日時: 2021年11月9日
ペイロード: - RAISE-2 - 主ペイロード - 小型衛星8機(4基マイクロサテライト、4基CubeSat)
結果: 成功
意義: 相乗り打上げ能力の拡大実証(合計9機の衛星)
7.6 Epsilon-6(2022年10月12日)(9,10)
打上げ日時: 2022年10月12日
ペイロード: RAISE-3技術実証衛星
結果: 失敗
事故詳細: - 飛行異常発生時刻: 第2段と第3段の分離時 - 異常内容: 飛行姿勢が目標軌道から逸脱 - 原因: 姿勢制御系の故障 - スラスターの不具合が飛行経路のずれを引き起こした - 対応: 地上からの指令破壊信号送信
意義: Epsilon初の打上げ失敗(5回成功の後)
影響: 打上げ失敗調査委員会設置、Epsilon S開発への影響
8 AI自律運用システム
Epsilonロケットの最大の技術革新の一つが、人工知能(AI)を活用した自律点検システムである(11,12)。
8.1 ROSE(ロゼ)AI システム(11)
ROSE: Epsilonロケットの機体に搭載された人工知能システム
機能: - ロケットの自律点検 - 異常診断 - 打上げ準備作業の自動化
診断手法: マハラノビス・タグチ法(MT法) - マハラノビス距離を使用した診断 - 正常データが形成する相関面からの距離を測定 - 異常検出の高精度化
8.2 モバイル打上げ管制(11,13)
システム構成: - デスクトップコンピュータ2台で打上げ管制を実現 - 2台構成は冗長性確保のため
従来システムとの比較:
| 項目 | 従来システム | M-V | Epsilon |
|---|---|---|---|
| 要員数 | 約150名 | 約80名 | 約8名 |
| 地上設備 | 大規模な管制センター | 大規模 | 簡素化(デスクトップ2台) |
| 準備時間 | 長時間 | 長時間 | 大幅短縮 |
革新性: - 要員削減: 従来の150名 → Epsilon 8名(95%削減) - コスト削減: 人件費・設備費の大幅削減 - 柔軟性: 小規模な管制システムで運用可能
8.3 自律チェックアウトシステム(13)
機能: 1. 自動点検: 人手を介さない自動点検システム 2. 作業量削減: ロケット自身が点検を実施 3. 準備時間短縮: 従来の複雑な点検プロセスを大幅簡素化
利点: - 打上げ準備期間の短縮 - 人的ミスの削減 - 打上げコストの低減
8.4 コスト削減への貢献
M-Vとの比較: - M-V打上げコスト: 7,000万米ドル - Epsilon打上げコスト: 3,800万米ドル - 削減額: 3,200万米ドル(約46%削減)
AI自律運用の貢献要素: 1. 人員削減(80名 → 8名) 2. 地上設備の簡素化 3. 準備時間の短縮 4. 運用プロセスの効率化
9 Epsilon S開発計画
JAXAとIHI Aerospaceは、Epsilon Sロケットの開発を進めている(14,15)。
9.1 Epsilon S概要(15)
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 開発開始 | 2020年3月 |
| 状態 | 開発中(試験段階で挫折) |
| 全長 | 27 m |
| 段数 | 3段 |
| ペイロード能力(SSO) | 600 kg |
| ペイロード能力(LEO) | 1,400 kg |
| 開発パートナー | JAXA + IHI Aerospace |
性能比較: - Epsilon: 590 kg SSO / 1,200 kg LEO - Epsilon S: 600 kg SSO / 1,400 kg LEO - 向上: +1.7% SSO / +16.7% LEO
9.2 設計変更(15)
第1段: SRB-3
- モーター: SRB-3(Epsilonは SRB-A3)
- 起源: H3ロケットのストラップオンブースター転用
- 新機能: 推力方向制御(TVC: Thrust Vector Control)
- Epsilon SはSRB-3で第1段燃焼中の姿勢制御を行う必要があるため、可動ノズルによるTVC機能を搭載
H3との共通化: H3ロケット(2024年運用開始)のSRB-3を活用することで、ハードウェア共通化によるコスト削減を実現。
第3段: PBS(Post-Boost Stage)
- 姿勢制御: 3軸姿勢制御
- システム: Post-Boost Stage(PBS)
- Epsilonからの変更: Epsilonはスピン安定化、Epsilon Sは3軸制御で精密な軌道投入が可能
9.3 開発タイムライン
2020年3月: 開発開始(14)
JAXA・IHI Aerospace合意: - Epsilon S開発プログラム正式開始 - 商業小型衛星市場をターゲット
当初計画: - 初打上げ目標: 日本会計年度2023年度(2023年4月~2024年3月)
2023年7月14日: 第1回試験失敗(16)
試験内容: 第2段固体ロケットモーターの燃焼試験
結果: 試験失敗・爆発
原因: - 点火装置の金属部品の溶融・飛散 - 推進剤および断熱材の損傷
影響: - Epsilon S初打上げ計画の延期 - 2023年度目標の断念
2024年11月26日: 第2回試験失敗(17)
試験内容: 第2段固体ロケットモーターの燃焼試験(2回目)
結果: 試験失敗 - 点火後49秒で異常発生
影響: - 2025年3月31日打上げ目標の完全断念 - Epsilon Sプログラムに深刻な打撃
2025年(予定): 開発計画見直し(17)
NHK報道(2025年7月): - JAXAがEpsilon S開発計画を見直し中 - 提案: 第2段を実績のあるEpsilon既存設計に戻すことを検討 - 初打上げ: 2026年が最速
背景: 2回の試験失敗により、新規開発の第2段が技術的課題に直面。実績のあるEpsilonの第2段(M-35)への回帰を検討。
9.4 Epsilon Sの目的(13)
- より高いペイロード能力
- 600 kg SSO / 1,400 kg LEO
- 相乗り打上げオプション(最大1,400 kg)
- H3ロケットとのハードウェア共通化
- SRB-3(H3のストラップオンブースター)転用
- 生産ライン共用によるコスト削減
- 打上げ頻度の向上
- 商業小型衛星市場への対応
- IHI Aerospaceによる商業打上げサービス
10 打上げ場
Epsilonロケットは、内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられる(18,19)。
10.1 内之浦宇宙空間観測所(18)
所在地: 鹿児島県肝属郡肝付町
運営: JAXA宇宙科学研究所(ISAS)
歴史: 旧M(ミュー)ロケットシリーズの打上げ施設として長年使用
10.2 M Center打上げ施設(18)
M Center構成: - 打上げ台地: 標高210 mの台地、25,000 m²の敷地 - M Rocket Assembly and Launch System(Mロケット組立・打上げシステム) - M Rocket Assembly Building(Mロケット組立棟) - クリーンルーム(衛星作業用)
打上げ設備: - ランチャー: 固定式発射台(移動式プラットフォームではない) - メンテナンスタワー: ロケット整備用
前身: M(ミュー)ロケットシリーズ(M-V等)で使用された施設をEpsilon用に転用
10.3 固体燃料ロケットの利点(12)
Epsilonが内之浦のような比較的小規模な射場で運用可能な理由:
- 複雑な地上設備が不要
- 液体燃料ロケットのような燃料充填設備が不要
- 極低温燃料(液体水素・液体酸素)の貯蔵設備が不要
- 地上設備の簡素化
- モバイル打上げ管制(デスクトップ2台)
- 8名の要員で運用可能
- 打上げ場の制約が少ない
- 柔軟な打上げ運用
- 迅速な打上げ準備
11 市場比較・競合分析
11.1 小型衛星打上げ市場(20)
市場規模: - 現在: 年間約200機の小型衛星打上げ - 2023年予測: 年間500機以上(AAC Microtec社推定)
市場成長要因: - 小型衛星の商業利用拡大 - コンステレーション(衛星群)プロジェクトの増加 - 大学・研究機関による実験衛星の増加
11.2 主要競合ロケットとの比較(20)
Epsilon vs Rocket Lab Electron
| 項目 | Epsilon | Rocket Lab Electron |
|---|---|---|
| 打上げコスト | 3,800万米ドル | 750万~840万米ドル |
| ペイロード(SSO) | 590 kg | 320 kg |
| コスト効率 | 約$64,400/kg | 約$23,400~26,300/kg |
| 運用国 | 日本 | ニュージーランド/米国 |
分析: - Electronはコスト効率で優位(約1/2.5のコスト/kg比) - Epsilonはペイロード容量で優位(Electronの約1.84倍) - Electronは専用打上げサービスを強みとする(顧客のスケジュール・軌道選択の自由度)
Epsilon vs PSLV(インド)
| 項目 | Epsilon | PSLV |
|---|---|---|
| 打上げコスト | 3,800万米ドル | 1,500万~3,500万米ドル |
| ペイロード(SSO) | 590 kg | 1,750~1,800 kg |
| コスト効率 | 約$64,400/kg | 約$8,600~20,000/kg |
分析: PSLVはコスト効率・ペイロード容量の両面で優位
Epsilon vs Vega(ヨーロッパ)
| 項目 | Epsilon | Vega | Vega C |
|---|---|---|---|
| ペイロード(SSO) | 590 kg | 1,500 kg | 2,300 kg |
| 段数 | 3段+オプション4段 | 4段 | 4段 |
| 運用国 | 日本 | 欧州(ESA) | 欧州(ESA) |
分析: Vegaはペイロード容量で大幅に優位(Epsilonの約2.5倍 → Vega Cは約3.9倍)
11.3 Epsilonの競争優位性
- AI自律運用システム
- 世界初のAI搭載ロケット
- 8名の要員で運用可能
- 日本の技術的独立性
- 日本独自の小型衛星打上げ能力
- 科学ミッション専用機としての役割
- 固体燃料の柔軟性
- 迅速な打上げ準備
- 小規模施設での運用可能
課題: コスト競争力の不足(Electron、PSLVと比較して割高)
12 商業運用
12.1 IHI Aerospaceによる商業サービス(14,19)
2019年: JAXA・IHI Aerospace商業打上げサービス合意
IHI Aerospaceの役割: - 主契約企業: Epsilonロケットの製造・運用 - 商業打上げサービス提供: 民間顧客向け打上げサービス
ターゲット市場: - 科学衛星 - 地球観測衛星 - 相乗り打上げ(複数の小型衛星)
打上げサービス詳細: - 射場: 内之浦宇宙空間観測所 - 能力: 590 kg SSO / 1,200 kg LEO - 柔軟性: 相乗り打上げオプション(最大1,400 kg)
13 特記事項
13.1 主要技術革新
- 既存ハードウェアの再利用
- H-IIA固体ロケットブースター(SRB-A3)を第1段に転用
- 開発コストと技術リスクを大幅に削減
- 自動チェックアウトシステム
- 人手を介さない自動点検システム
- 打上げ準備時間の大幅短縮
- 柔軟な打上げ運用
- 液体燃料ロケットのような複雑な地上設備不要
- 迅速な打上げ対応能力
13.2 将来展望
Epsilonロケットは、日本の科学衛星打上げにおいて以下の役割を担う:
- 科学ミッション: 地球観測、天文観測、惑星探査等
- 小型衛星打上げ: 大学・研究機関の実験衛星
- Epsilon Sへの発展: より高い能力と効率を実現