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パラメータの意味

EVMを効果的に使用するには、各パラメータの意味を理解し、適切に設定することが重要です。 このページでは、主要なパラメータとその設定方法を解説します。

パラメータ一覧

パラメータ 記号 典型値 影響
増幅率 α 10-50 動きの増幅倍率
周波数下限 f_low 0.5-1.0 Hz 抽出する最低周波数
周波数上限 f_high fps/2以下 抽出する最高周波数(ナイキスト制約)
空間周波数カットオフ - - 細部/大局のバランス

増幅率(Amplification Factor)

α

増幅率(Alpha)

動きや色変化をどれだけ強調するか

増幅率αは、検出された微小な変化をどれだけ拡大するかを決めるパラメータです。 値が大きいほど変化が強調されますが、ノイズも同時に増幅されます。

出力 = 元の映像 + α × フィルタリングされた信号

増幅率と出力の関係

α値 効果 適した場面 注意点
1-10 微弱な増幅 大きな動きの確認 変化が見えにくい可能性
10-30 適度な増幅 構造物振動、呼吸検出 推奨範囲
30-50 強い増幅 心拍検出(Color) ノイズが目立ち始める
50以上 過剰な増幅 ほとんど使用しない アーティファクト多発
推奨アプローチ 小さな値(α=10程度)から始めて、徐々に上げていきましょう。 ノイズやアーティファクト(偽の動き)が目立ち始めたら、少し下げてください。

周波数帯域(Frequency Band)

flow

周波数下限(Low Frequency Cutoff)

抽出する最低周波数

この周波数より低い変化は無視されます。ゆっくりした動き(照明変化、カメラのドリフトなど)を除外するために設定します。

fhigh

周波数上限(High Frequency Cutoff)

抽出する最高周波数

この周波数より高い変化は無視されます。 重要:フレームレートの半分(ナイキスト周波数)を超えることはできません。

ナイキスト周波数とFPSの関係

周波数 (Hz) 検出可能性 ナイキスト周波数 = fps ÷ 2 検出可能 検出不可 (エイリアシング発生)
フレームレート ナイキスト周波数 推奨f_high上限 検出可能な対象
30 fps 15 Hz 13.5 Hz 心拍、呼吸、低周波振動
60 fps 30 Hz 27 Hz 上記 + 一部機械振動
120 fps 60 Hz 54 Hz 上記 + 多くの機械振動
240 fps 120 Hz 108 Hz 高周波機械振動
ナイキスト周波数の90%以下を推奨 エイリアシング(折り返し雑音)を避けるため、f_highはナイキスト周波数の90%以下に設定することを推奨します。 詳しくは限界と制約を参照してください。

用途別推奨設定

一般的な用途に対する推奨パラメータ設定をまとめました。

心拍検出(Color)

  • 増幅率 α30-50
  • f_low0.8 Hz
  • f_high2.0 Hz
  • 相当bpm48-120 bpm

呼吸検出(Motion)

  • 増幅率 α10-20
  • f_low0.1 Hz
  • f_high0.5 Hz
  • 相当回数6-30 回/分

構造物振動(Motion)

  • 増幅率 α10-30
  • f_low0.5 Hz
  • f_high5-15 Hz
  • 備考fpsに注意

機械振動(Motion)

  • 増幅率 α5-20
  • f_low1 Hz
  • f_highfps/2の90%
  • 備考高fps推奨
# Python (PyEVM) での設定例:心拍検出 magnify_color( video_name="face.mp4", low=0.8, # f_low: 0.8 Hz (48 bpm) high=2.0, # f_high: 2.0 Hz (120 bpm) amplification=50 # α: 50倍に増幅 )

パラメータ調整のコツ

1. 小さく始めて徐々に上げる 増幅率は低めの値(α=10)から始めて、効果を確認しながら徐々に上げましょう。
2. 周波数帯域は狭くする f_lowとf_highの差を小さくすることで、目的の信号のみを抽出しやすくなります。 広すぎるとノイズも通過してしまいます。
3. フレームレートを確認する 高い周波数を検出したい場合は、必ず動画のフレームレートを確認し、 ナイキスト周波数の範囲内でf_highを設定してください。
よくある間違い
  • 30fps動画で20Hz以上を検出しようとする(不可能)
  • 増幅率を最初から高く設定してノイズだらけになる
  • 周波数帯域を広くしすぎて不要な動きも増幅してしまう