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用語集
EVM(Eulerian Video Magnification)と振動診断に関連する技術用語を解説します。 各用語から関連ページへのリンクも含まれています。
A A
- 加速度計(Accelerometer)
- 振動の加速度を測定するセンサー。振動診断の中核技術。出力は物理量(m/s², G)であり、定量的な診断が可能。ISO 18436-2で標準化された診断手法の基盤。
- 増幅率(Amplification Factor, α)
-
EVMにおいて、検出された微小信号をどの程度拡大するかを示すパラメータ。値が大きいほど増幅されるが、ノイズも同時に増幅されるため、適切な値の選択が重要。典型値: 10-50。
注意 増幅率を上げすぎるとアーティファクト(偽の動き)が発生します。詳しくはパラメータの意味を参照。
B B
- バンドパスフィルタ(Bandpass Filter)
- 特定の周波数範囲のみを通過させるフィルタ。EVMでは、対象とする振動周波数を抽出するために使用。例: 心拍検出では0.8-2.0 Hz程度のバンドパスを設定。
C C
- Color Magnification
- EVMの一手法。色(主に肌の色など)の微小な変化を増幅する。RGB→YIQ色空間変換により色情報を分離して処理。心拍数検出などに使用。
- CMMS(Computerized Maintenance Management System)
- コンピュータ化された保全管理システム。設備の保全履歴、スケジュール、在庫管理などを統合管理。
E E
- EVM(Eulerian Video Magnification)
-
MIT CSAILが2012年に発表した、動画から微小な動きや色変化を増幅して可視化する技術。「オイラー的」アプローチにより、各ピクセルの時間変化を解析する。
重要な限界 定量的な測定は不可能(相対値のみ)。検出可能な周波数はフレームレートの1/2以下。再現性に課題あり。詳しくは限界と制約を参照。
F F
- FFT(Fast Fourier Transform、高速フーリエ変換)
- 信号を周波数成分に分解する数学的手法。振動診断において、振動の周波数特性を解析するために広く使用される。加速度計データの解析の基本ツール。
- フレームレート(Frame Rate, fps)
- 動画の1秒あたりのフレーム数。EVMで検出可能な最大周波数はフレームレートの1/2(ナイキスト周波数)。例: 30 fps → 最大15 Hzまで検出可能。
I I
- ISO 18436-2
-
機械状態監視・診断における人員の資格要件を定めた国際規格。振動解析技術者をCategory I-IVに分類し、各レベルで必要な知識・技能・経験を規定。
カテゴリ 対象 内容 Cat I 基礎 基本測定、周波数解析、簡単診断 Cat II 応用 応用機械工学、設計時動的応答 Cat III 上級 複雑診断、カスタムアルゴリズム Cat IV 専門家 プログラム設計、指導
L L
- ラプラシアンピラミッド(Laplacian Pyramid)
- 画像を異なる空間周波数帯域に分解する手法。EVMでは空間分解(Spatial Decomposition)に使用。画像を段階的に縮小しながら、各解像度レベルでの差分(詳細情報)を保存する。
M M
- Motion Amplification®
-
RDI Technologiesの登録商標。EVM技術を産業振動診断向けにブランディングしたもの。主に非接触での振動可視化サービスとして提供。
用語上の注意 Motion Amplification®は商標です。技術用語としてはEVM(Eulerian Video Magnification)を使用します。
- Motion Magnification
- EVMの一手法。動きの微小変化を増幅する。Steerable pyramidで位相情報を抽出し、増幅することで実現。構造物の振動可視化などに使用。
N N
- ナイキスト周波数(Nyquist Frequency)
-
サンプリング周波数(この場合はフレームレート)の1/2。これより高い周波数の信号は正しく検出できない(エイリアシングが発生)。
フレームレート ナイキスト周波数 検出可能な対象 30 fps 15 Hz 心拍、呼吸、低周波振動 60 fps 30 Hz 上記 + 一部機械振動 240 fps 120 Hz 上記 + 多くの機械振動
P P
- 予知保全(Predictive Maintenance, PdM)
- 設備の状態を監視し、故障を予測して適切なタイミングで保全を行う手法。主な技術として振動解析、赤外線温度計測、超音波、油分析、モーター診断がある。
- 位相ベースモーション増幅(Phase-Based Motion Magnification)
- EVM/Motion Magnificationの改良手法。位相情報を用いることで、より高品質な増幅が可能。大きな増幅率でもアーティファクトが少ない。
S S
- SNR(Signal-to-Noise Ratio、信号対雑音比)
- 信号とノイズの比率。EVMでは増幅率を上げるとノイズも増幅されるため、SNRの確保が重要。照明条件の改善やカメラの品質向上がSNR改善に寄与する。
- 空間分解(Spatial Decomposition)
- EVMの処理ステップの一つ。画像を異なる空間周波数帯域に分解する。ラプラシアンピラミッドを使用。
- Steerable Pyramid
- 方向選択的な画像分解手法。Motion Magnificationで位相情報を抽出するために使用。ラプラシアンピラミッドの拡張版で、方向と位相の情報を保持する。
T T
- 時間フィルタリング(Temporal Filtering)
- EVMの処理ステップの一つ。各ピクセルの時間変化に対してバンドパスフィルタを適用し、対象周波数成分を抽出する。
V V
- 振動診断(Vibration Diagnosis)
- 機械の振動を測定・解析し、異常や故障を診断する技術。主に加速度計を使用した定量的な手法が確立されており、ISO 18436-2で標準化されている。主な診断項目: アンバランス、ミスアライメント、軸受損傷、ギア損傷、共振。
- Vibration Institute
- 振動解析認定の主要提供機関。ISO 18436-2に基づく認定プログラムを提供。Category I-IIIの教育・認定を実施。
記号・略語一覧
| 略語 | 正式名称 | 説明 |
|---|---|---|
| EVM | Eulerian Video Magnification | オイラー的動画増幅 |
| FFT | Fast Fourier Transform | 高速フーリエ変換 |
| fps | frames per second | フレーム毎秒 |
| SNR | Signal-to-Noise Ratio | 信号対雑音比 |
| PdM | Predictive Maintenance | 予知保全 |
| CMMS | Computerized Maintenance Management System | 保全管理システム |
| ISO | International Organization for Standardization | 国際標準化機構 |